渡部建の話題で賑わっている。
発端は相も変わらず「文春砲」のスキャンダル報道によるが、呆れた時代になったと思わずにはいられない。巷にはこんなニュースが溢れている。
ずいぶん昔に有名な芸能人が「不倫は文化だ。」と宣ったことがある。
ハンサムで賢く本人は得意だろうが、褒められた人間ではない。
私の聞く戦前の昭和に「夜這い」がある。
若衆が、意中の女性の夜の床に忍び込み、ことに及ぶ。
男女ともそんな駆け引きがあったのだろう。
そんな話を聞いたこともあり、夜這いの話はエロ小説にもよく登場した。
私の勤めた那須のホテルでは、男女の話は日常茶飯事だったように思う。
一世を風靡した時代のカリスマ箭内源典は、大らかだった。
彼は鬼の源典と異名をとっていた。
見るからに偉丈夫で厳つい顔は近寄り難くこわかったが、下の者にはその場で叱ることはなかった。八重洲に本社があり、時折に那須事業所に来られた。その都度に社員教育の訓話があったが、事業所では、一大イベントだった。
源典は訓話が終わり帰り際につい居眠りをしてしまった社員の手を取り「忙しく疲れているのに有難う。」と労った。彼にはそれが出来た。
さらさらと音を立てて流れる浅瀬の自分には、深く淀んで流れる箭内源典は及びもつかない人だった。伊良湖ビューホテルは日本の旅行業社が選ぶ日本一の施設として数年間選ばれ続けた。後に有名となる鴨川グランドホテルやリステル、加賀百万石なども競って視察に訪れた。彼は那須温泉の小松屋石雲荘の旦那で、白河市内に芸妓を囲い悠々自適の日をすごしていた。40代後半に、レストランシアターのリゾートホテルを那須高原の旋風が丘に立て、世間をあっと言わせたのが彼になる。
そして、伊良湖ビューホテルの大成功と続く。
スタッフは、高卒の女性を採用し同時に大卒の男子従業員を入れた。当時としては何もかもが画期的だった。彼ら大卒の人達が、その後のホテルの躍進を担っていた。
先輩から聞いた話だが、石雲荘では若い女子従業員たちが大浴場に入っていると箭内は「ドーレ大きくなったかな。」なんて言いながら入ってきた。そして、ひとりひとりと話をし賑やかだった言います。男女のことは何でも知っている大らかな人でした。
不倫やセクハラなどと波風を立てない男女のことは何でもない当たり前の時代です。
ホテルでは、男女の艶話はいつでもありました。
社長の縁戚で支配人の者が若い女子社員と客室で過ごしたことを聞きました。
客室のベットを片しているのを早朝出社したマネージャーに目撃され、照れて謝っていたそうです。そんな話題が私達の間を流れました。また、彼女もそのことを寮の仲間に得意になって吹聴していたようです。
ハンサムで女性に人気のあった総務の支配人も若い頃にそんなことがあり、古くからの客室係のパート達も笑って話していました。当時は、女子従業員との艶話はよくあったのでしょう。
旅館業は、人の接客で成り立ちます。
職業柄なのかこのような男女のことは、大目に見られていました。
左遷や処罰のことは聞いたことはありません。
おおらかとは言いながら、それで箔が付くわけではないのですが、ただ大目に見られていたということでしょうか。
いつから文春砲なるこんなニュースが市民権を得たのだろうか。
どうでもいいようなことが不倫不倫で賑わう。
決して褒められた話ではないが、そんなことでテレビCMから外され世間のバッシングを受けることになる。
私には、それを見る世間が一億総ヒステリー症候群に思える。
そちらの方が余程に危うく見えるのだが。
そんなことに血眼にならずに、もっと大切なことが在るだろうと思う。
毎日尖閣諸島に領海侵犯を行い既成事実化している中国の恐ろしさが見えないのだろうか。
これは男の自覚による。
女性の目を気にしすぎる軟弱な男が増え、家を国家を守る気概が失せた民族になり果てたように思う。
子を戦争から守るのは、女性の本能だろう。
しかし、同じように子ども家族の為に戦い敵を殺すのは男の本能。
家族を守るのは物言わぬ男の器量だと思う。
不倫の一つや二つは、当たり前だと思うのだが。
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